そこで最近出たのはこの論文です。
様々な装置がある中で、著者らは現在良く使われている13種類のシングルセル・シングル核のRNA-Seqプロトコル(技術)を使い、同じ条件下で比較しています。同じサンプルを使い、データのフィルタリング条件やダウンサンプリング条件も同じにし、検出遺伝子の感度、クラスタリングの精度などを比較しています。
中立な立場での比較論文はなかなか貴重だと思います。
Mereu et al., Fig.1 |
この中で、Chromiumはどのような位置に評価されているかというと、
|
ただ、ここで皆さんに注意してもらいたいのは、彼らが実験に使用した試薬は、一世代前のVersion 2だということです。10xではご存知の通り、昨年、3’発現解析用の試薬はVersion 3になり、V2と比較して遺伝子の検出感度が大きく改善しました。
ですので、V3でもう一回やったら、この順位はもしかしたら・・・。
と言ってもキリがないですね。他の会社さんも試薬のバージョンアップしているかもしれませんし。とにかく、一世代前の試薬でも3位というのはすごいと思いました。
フリーの論文(BioRxv)ですし、特にメソッドのところ、解析についてかなり詳しく書いてあるのでオススメです。
オススメなんですが、あえて付け加えるとすると、、、
公平に比較するため、彼らはリードフィルタリングの条件やUMIカウントの条件、生細胞の条件など、解析パイプラインを統一しています。これは良いのかどうか。13種類のプロトコル全体に最適な条件があるとはちょっと思えないので、これはあくまで比較のために同条件で解析した、と考える方が良いのかなと思いました。
あと、ランニングコストについては触れられていません。論文のテーマ上仕方ないですが、これから装置を購入する人にとっては大事な点です。1実験あたりいくらかかるのか? どれだけ手を動かす必要があるのか(実験ワークフローの時間)? サポートは受けられるのか?
そういう点を考慮した上で、さらに1個前のバージョンの試薬でも3位だったことを考えると、今から購入を検討するならもちろん・・・
ところで私たちは6月28日(金)、東京秋葉原で10xユーザーグループミーティングを行います。国際ゲノム会議の翌日です。こちらもぜひ時間が合えばお越しください!
詳しくはこちらを参照ください!
0 件のコメント:
コメントを投稿