2019年7月26日金曜日

上級者向けシングルセルデータ解析ウェビナー2つ SeuratとATAC

シングルセルのデータ解析をやっている方へ、オススメのウェビナー(録画)があります! ちょっと前にアメリカ時間で行われたのですが、録画がオープンになりました。

ひとつめはこれ
ATAC-Seqのデータ解析とビジュアライゼーションの話です。
ここから視聴できます。
写真の左上のMikeは先月の東京ユーザーミーティングにも来ましたね。右下のHankはアルゴリズム開発のエキスパートです。

もうひとつは、これ

こちらから視聴できます。
Seuratを開発しているNYU Center for Genomics and Systems BiologyのDr. Rahul Satija が、Seurat v3を使って様々なタイプのシングルセルデータを解析する方法を説明したウェビナーです。最初ちょっと早口かもしれません。ですがSeuratを少し使っている・これからやろうと思っている研究者にはオススメです。

ぜひどうぞ。




2019年7月18日木曜日

シングルセルDNAのウェビナー

4月から毎月ウェビナーをしています。英語、日本語、中国語、と3パターンあって私は日本語担当なんですね、もちろん。

さて、次の日本語のウェビナーは8月1日(木)の午後2時から。テーマはシングルセルDNAです。


コピー数変異をシングルセルで読む技術をご紹介します。
ぜひ登録の上、ご参加ください。録画するので当日参加できないひとも登録だけどうぞ。


因みに英語は7月30日、こちらから

ウェビナーって思った以上に結構大変なんです。
まず英語で作られたプレゼンを日本語にしないといけない。その時、英語の方がしっくり来る単語はそのまま英語で行こうかどうか悩みます。

そして日本語にしたとしても、それが聞き言葉として正確に伝わるかどうか、が問題。漢字を見れば明らかだけど聞いただけでは意味を間違えてしまう日本語って、結構あると思います。
例えば「陽性」と言うのを聞くと、私は「妖精」と間違えてしまうんです。(なんてロマンチックな!)これは冗談ですが、プレゼンは英語で書かれているのでそのまま「ポジティブ」と言った方が伝わりやすいかも、とか考えてしまいます。

次に読み方とパワポのスピード。自分で作った原稿を読むわけですが、読んでいないように見せかけないとダメで、しかもパソコンに向かっているわけです。 相手の顔が見えないからどうしても事務的になってしまったり、つまずいてしまったり。前回の免疫プロファイリングは途中噛んでしまい、緊張してしまいました。もっと練習しろ!ということですが。
録画バージョンはちゃんとリラックスした状態で撮り直していますので、聞きやすいと思います。

今度のDNAウェビナーは、前よりもリラックスして行いたい

2019年7月17日水曜日

シングルセルとナノポアシーケンスの組み合わせ

先日、秋葉原での10xユーザーグループミーティング、100名以上の方々にお越しいただきました。次回は大阪、千里中央にて、10月8日(火)に予定しています。
詳細はまた、いろんなメディアからお知らせがあると思いますのでお楽しみに。

さて、その秋葉原のユーザーミーティングでもお話し頂いた、Garvan Institute のAlex Swarbrick先生らのグループが、Nature Commuinicationsに、とても面白いシングルセルの論文を発表したのでお知らせします。

Singh et al., (2019) High-throughput targeted long-read single cell sequencing reveals the clonal and transcriptional landscape of lymphocytes. Nature Communications v10, 3120.

この論文では、患者自身の免疫系の中から、癌細胞に対して反応性のあるとてもレアな免疫細胞を発見する新しい方法について書かれています。
Repertoire and Gene Expression by Sequencing RAGE-Seqと呼ばれるこの方法では、免疫細胞が腫瘍組織の内部でどのように進化するのかを解析でき、癌を標的とする免疫システムを明らかにすることができると言われています。

技術的には4つの異なるゲノムプラットフォーム(Oxford Nanopore Technologies、10x Genomics、Illumina、CaptureSeq)を組み合わせています。

彼らはまず、免疫細胞受容体をコードするRNAを標的にして、シングルセルからRNAを濃縮する方法を開発、そして免疫細胞レセプターの全長配列を正確に読むための計算ツールを開発しました。

結果として免疫レパトア配列、シーケンスによる遺伝子発現(RAGE-seq)を得ます。一度に何千もの免疫細胞受容体を「スキャン」することによって、組織サンプル中の免疫細胞がどのように関連しているか、そしてどの免疫細胞が癌に対して高い反応を示すのか、といったスナップショットを正確に見ることができる、そうです。
(以上、こちらの記事を参照)



しかし、10xとロングリードがここで融合するとは、時代を感じますねえ(私だけ?)。



2019年7月11日木曜日

シングルセルゲノミクス研究会 発足!

新しい学会・研究会のお知らせです!


NGS現場の会に行ったことがある方はわかると思いますが、初心者からプロまで一堂に集まり、学会や研究テーマの枠を超えて、最新技術の使い方や使ってみた感想などを、普通の発表に加えてざっくばらんに話し合う、そういう雰囲気の場はいいですよね。
最新技術と言えば、今は、シングルセル解析! 
というのは過言ですけど、その現場の会の雰囲気が再び帰ってきました。

その名も「シングルセルゲノミクス研究会」略してSCG

ウェブサイトはここ
京都大学の渡辺先生が中心となりこのような会が出来上がりました。
第1回の集まりは8月29日(木)〜30日(金)の2日間。場所は柏の葉カンファレンスセンター。

この場所はつくばエキスプレスに乗って柏の葉キャンパスで降りると、そこから徒歩で1、2分です。三井ガーデンホテルと同じ建物にあります。

現場の会と同じように、基本はみんなフラットな関係で、アカデミアもコマーシャルも、初心者もエキスパートも、分け隔てなくディスカッションができる場になると思います。

スポンサー企業の方々もその辺は理解して出展するでしょう。私たち10xはランチョンを行います。今から楽しみ!

プログラムは、こちらに随時アップされていくようです。
特別講演、招待講演はこの道の達人が勢揃いですね。

ポスター発表、口頭発表は募集制です。既に多くの人が発表を希望しているそうです。

参加登録はこちら

参加費は、発表するかたは無料(ただし上限枠があると思うので希望者は早めに登録する方が良いと思います)
発表無しでもそこそこ安い価格ではないでしょうかね? ほかの学会と比べて。

ここに来ればシングルセルの全てがわかる!というキャッチフレーズがあるように、このような会は貴重だと思います。特に新しいテクノロジーが普及する過程において。

私もランチョンスポンサーという形で参加しますが同時にたくさん勉強させて頂こうと思います。
なので、皆さんも、

  • 自分の研究にシングルセルが本当に適しているのか正直わからない
  • これからやろうとしている手法が王道なのか邪道なのかはっきりさせたい
  • そもそもシングルセルで何がわかるのか知りたい

そんな疑問を持っているならぜひ参加するべきだと思います。
せっかくたくさんのエキスパートの先生方もいることだし、またいろんなシングルセル関連の企業も来ているので、きっとどこかで解決、または解決に至るヒントが得られると思います。
(私も正直、疑問を抱えていまして、それをある人に聞きたい)

来月ですので早めに登録することをオススメします。
あと、地方から参加される方は、ホテルは柏の葉キャンパス近辺か、つくばエクスプレスの都心側の駅に取った方が良いと思います(つくば側だと朝夕のラッシュに巻き込まれる。都心側なら逆方向だから空いている)。


P.S. 29日の夜にはネットワーキングがあるので、そこで軽く飲みながら研究のことを話すのもいいでしょうね。