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この会社、スタンフォード大学と共同でATAC-Seqという技術を発明・開発したのですが、ではそもそもATACって何? という方の為に簡単に説明しますね。
ATACとは(Assay for Transposase-Accessible Chromatin )の略。
人間の染色体に含まれるDNAは全部伸ばすと約2メートル、これが細胞の核の中に収納されているわけですが、これを可能にしているのがヒストンというタンパク質。
ヒストンの周りにDNAを巻きつけて凝縮させて、直径わずか20マイクロメートルの核の中に収納しているわけです。
この凝縮された状態をクロマチンと呼びます。
DNA、クロマチン、核 https://gendynamik.wordpress.com/226-2/ |
で、遺伝子が発現するためには一旦クロマチンをほどいてやる必要があり、これはヒストンのアセチル化を制御する酵素により制御されています。
発現される遺伝子は、クロマチン構造が解かれてオープンになります。
そのオープンになったところだけを狙ってDNA配列を読むことができれば、実際に発現されるべきところの遺伝子を網羅的に調べることが可能です。
これをうまく組み合わせて、オープンになった遺伝子(とは限らない)を効率良くNGSで読むことができる、これがATAC-Seqです。
株式会社Rhelixaさんのサイトにもっと丁寧な説明がありましたので併せてどうぞ。
こちら
さて、
そのATAC-Seqをシングルセルレベルで行うのが、この秋登場予定のシングルセルATACキット。
流路に流すのは細胞ではなくて核・Nuclei
ミトコンドリアのコンタミを最小限にすることができ、サンプルあたり500〜10,000 Nucleiを解析可能。
Nucleiの準備がもしかしたら肝になるでしょうね。どれだけキレイに取ってこれるか。
一度Nucleiの準備が整ったら、Chromiumでのラン、バーコード、PCR、サンプルクリーンアップ、QCなど含めてライブラリ調整にかかる時間はおよそ7時間。その後はHiSeqなどでシークエンス、という流れです。
ソフトウェアもリリースまでには完成する予定です。楽しみですね!