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2022年6月29日水曜日

シングルセル+空間解析の統合解析

今年は梅雨入りが6月、梅雨明けも6月! 何という早い梅雨でしょうね。そして猛暑!! 昭和生まれのオッサンは意外と暑さに弱い。これ共感力あるワードだと思います。

さてさて、そんなことより今年は空間解析が大ブームになる予感がしますのでそれをお伝えしますね。

Spatial Biology 「空間バイオロジー」という言葉は最近、よく聞きます。仕事上私は毎日必ずメールでこの言葉を見たり、書いたり、打ち合わせやセミナーで口にしたりしています。

ちょっと前の羊土社のウェビナーや、特集号でも話題になったので気になっている人も多いと思います。そうはいっても実は、人によって「空間バイオロジー」と聞いて持つイメージはだいぶ違うのが本当のところです。ここのサイトの図1を見てみましょう!

空間網羅タイプの空間トランスクリプトーム(遺伝子発現)が最近注目されている分野ですが、これはすなわち組織切片のどこで、どんな遺伝子がどれくらい発現していたのか、を網羅的に検出する技術です。

一番左に書かれている、FISHやseqFISH, MERFISH, という方法は、組織のその場所で発現していたmRNAにプローブをハイブリさせ、そのプローブに蛍光付きの別のプローブをさらにハイブリさせ、それをイメージング(蛍光)技術によって検出します。そのため一度に検出できる遺伝子の数に制限があります。しかしmRNA分子を一分子のレベルで検出することが可能なので、解像度は高いと言えます。

一方で、その隣の in situ キャプチャー法。これは10x のVisium や、Slide-seqに代表されるような、スライドの上にキャプチャーオリゴを並べ、各スポットに個別の目印オリゴをつけて、キャプチャーオリゴの上に落としたmRNAを場所の目印をつけた状態でシークエンスする。そして配列情報から元々の場所情報を紐つける方法です。

ちょっと何言っているか、、、 という人はこちらをどうぞ

それはそうと、Visiumをはじめ空間解析の最大の問題は、その情報が細胞レベルでは無いと言うこと。それは例えばVisiumの場合、直径が55μmのスポットの中で、その内部に含まれる細胞複数個のRNA-Seqを行うこと。そのスポットが5,000個、6.5mm x 6.5mmの正方形の中に並んでいる。6.5mm x 6.5mmの正方形のエリアに載せた組織切片のどこで、どんな遺伝子が発現していたのか、網羅的にわかることは画期的で素晴らしい。だが一方で、その遺伝子発現はあくまで直径55μmのスポットでのデータである。そのスポットに存在した複数の細胞が異なるタイプの細胞だった場合、スポット単位の遺伝子発現は複数細胞の発現データの平均になってしまうため、細胞個々の性質を見逃してしまうかもしれない。

そういう時に活躍するのが、Chromiumをはじめとするシングルセル解析である。組織(往々にして凍結切片組織)をバラバラにして、シングルセルまたは核のRNA Seqを行い、同じ凍結切片のVisiumデータと後でデータを統合する。このようなシングルセル+空間解析、という統合解析がある。

そこで最近Publishされたのが、こちらの論文

Bin Li et al.,  (2022) "Benchmarking spatial and single-cell transcriptomics integration methods for transcript distribution prediction and cell type deconvolution." Nature Methods. 19, 662. 


この論文では、今存在する16種類の「シングルセル+空間解析統合メソッド」を45のデータセットと32種類のシュミレーションデータで試してベンチマーキングをしている。正直私もこんなに手法があるなんて知らなかった。

フリーの論文では無いので詳しくは中身を読んで欲しいと思うが、ちょっとだけ言うと、

Discussionのところで彼らは "Tangram, gimVI, SpaGE outperformed other integration methods for predicting the spatial distribution of transcripts," と述べ、一方で、

"Cell2location, SpatialDWLS, RCTD were superior to other integration methods for cell type deconvolution of spots in histological sections."

と述べている。空間的な分布を予測するのに優れているツールと、スポット内の細胞タイプをディコンボリューションするのに優れているツールと、手法によってそれぞれ得意な分野があるようだ。つまり一見同じ目的を持ってシングルセルのデータを空間解析に統合しているツールにも、目的に応じて一長一短があるというのは面白い。

近い将来、10x のVisium HD やBGIのStereo-Seqなど、スポットの直径を小さくしたバージョンの技術が登場しても、シングルセルデータと統合する必要性は残るかもしれない。Spatial Transcriptomics はあくまでもスライド上に物理的に設置したスポットごとにRNA-Seqをするわけであり、スポットの大きさが小さくなってもそれが細胞のサイズと同じになるわけではないからだ。スポットサイズが細胞より小さくなることもある。そうなると新たなインテグレーションツールが必要になってくるかもしれない。

もしあなたがバイオインフォの専門家でツールを開発するのが大得意だとしたら、次にくる大きな波はこれです。シングルセルと配列空間解析、または画像からの空間解析、その全てを統合するツールが全世界的に必要とされる時代がまもなく来ます。←私の勝手な想像だけどね

NGSがそうであったように、まずテクノロジーが広まって、次に解析ソフトウェアがあちこちから生まれる。データの解析方法でさまざまな議論が起こり、やがてどこかのツール(解析手法)に落ち着く。

シングルセル+空間解析は今、テクノロジーが乱立している状態です。たくさんのデータをどう解析処理して行くべきか、決着するのにはもう少し時間がかかりそうな感じがします。


2022年3月20日日曜日

空間的トランスクリプトミクス まずはこれを読もう

最近暖かくなってきましたね。花粉が飛んでいます。私は数年前から年に数日くらい、花粉がひどい日 には花粉症の症状が出ます。目とくしゃみです。でも今年はもう3日症状が出てる。これから大丈夫かな。

さて、話はガラッと変わりますが、生体システムが正しく機能するためには、その構成要素である細胞の空間的な場所情報が重要です。発生段階において、胚の形態形成は正しい細胞種が正しい場所で分化するように厳密に制御されています。また成体では、組織内の細胞の空間的な構成は、臓器が適切に機能するために極めて重要です。

細胞の種類や細胞機能が空間的にどのように変化しているかは、その場所における遺伝子発現を定量することで測定することができます。また疾患バイオマーカー探索に代表されるように、未知の遺伝子が空間的でどのように発現しているかは、その遺伝子の機能を知る手がかりとなります。

ではどうやって遺伝子発現を解析するか? 一般的にその遺伝子がコードするタンパク質や転写産物を定量化することで行われます。かつては数遺伝子単位で解析するしか方法はありませんでしたが、現在はタンパク質と転写産物のいずれについてもハイスループットな解析手法が存在します。

さて、「空間解析・Spatial Analysis」と言っても様々です。これは実験医学の記事に詳しく説明があります。

実験医学 2021年9月号 Vol.39 No.14 空間トランスクリプトーム

ここでは、空間トランスクリプトームという技術を2つに分けています。組織切片全体を解析対象にする空間網羅タイプと、局所的な部分(Region of Interest:ROI)を解析対象とする局所深読みタイプに分けています。これらのタイプはさらに2つに分かれます。

最初の切片全体を見る空間網羅タイプにはまず、single molecular fluorescent in situ hybridization (smFISH) や、それを連続的に行うMERFISHなど「連続FISH法」があります。発現していた遺伝子のRNAに、蛍光プローブを連続的にハイブリダイズさせ、RNAを1分子単位で検出します。

もうひとつが「in situ キャプチャー法」。SlideSeqや10x GenomicsのVisiumがこれ。組織切片を特殊なスライドに載せて、発現していた遺伝子をそのままスライド上のキャプチャーオリゴに転送します。

続いて局所深読みタイプのうち物理的に組織を切り出してそこに含まれていた遺伝子・タンパクを解析するのが、20年以上前からメジャーなLaser Capture Microdissection (LCM)などです。最近では直径1ミリメートル以下スポットから、遺伝子やタンパク質の発現を蛍光で検出する光化学的な検出法もあります。Nanostring社のDigital Spatial Profiling(DSP)という手法がこれにあたります。

このように空間トランスクリプトームといっても様々で、どれも長所短所はあります。空間網羅タイプと局所深読みタイプは、そもそもコンセプト・使い方が違うと思いますね。10xは網羅タイプです。つまり局所を選んで深読みするということはそこにヒトの主観が入る・バイアスが入る。これよりも切片全体をできるだけ広く読んだほうがバイアスがかからない解析ができる、という考え方。

10xのVisiumがin situ キャプチャー法であるなら、もう一つの空間網羅タイプの連続FISH法は今年後半にリリース予定のXeniumになります。Xeniumについてはまた今度の機会に特集しますね。

ところで、最近Natureから素晴らしいレビューが出ました。

Moses et al. (2022) Museum of spatial transcriptomics. Nature Methods

このレビューは1987年にさかのぼって空間トランスクリプトームの歴史をひも解いています。1987年から「空間トランスクリプトーム(Spatial Transcriptome)」という言葉があったのは意外ですね。内容はとても濃いのでまとめることは難しいのですが、私も含め、この技術について勉強したい人はまず最初にお勧めします。私のプレゼンの中にこのレビューに書かれている内容がサラッと入ってきたら「ああ、こいつパクったな」と思ってください(冗談。パクりませんよ)。


2021年6月20日日曜日

Visium 最近の論文 2021年6月まで

 

Visiumの論文といえば日本からはこちらですね。乳癌のサンプルで空間解析をしています。鈴木先生、永澤先生には昨年の10x Genomicsユーザーミーティングでお話し頂きました!

鈴木先生には 20年3月のVisium Dayでもデータを少しお話し頂き、参加者の皆さんから多くの質問を頂いたことを覚えています。

続いてはこちら

ヒト背外側前頭前野の6層の解析(翻訳あってるかな)をVisiumで行った論文。こちらも最近大きな反響を得た論文です。BioConductor上で動くツールを開発してデータを公開しています(ここ)

お次はシングルセルとVisiumのデータを統合させるというバイオインフォ系の論文
計算式は私の理解の遥か上を行っているのですが、シングルセルのレベルでVisiumを行う現在可能な唯一の方法は、シングルセルRNA Seqと空間解析を別々に行ってコンピュテーショナルに統合することです。こちらの論文ではそれを行うツール-SPOTlightを紹介しています。
SPOTlightはここから利用可能だそうです。


さて、Visium、そして空間解析一般のトレンドを理解する私のオススメは、何と言ってもこちら、今年のNature Method Volume18,Issue 1です!
この特集号では空間解析を特集しています。これから空間解析を行いたい、という人には是非お勧めします。

さてこれまでヒト、マウスのVisiumばかりでしたが動物以外、植物の解析ももちろんあります。最近ではこちら
こちらもシングルセルと空間解析の統合解析を議論しています。

と、ここまで書いて、少しとりとめの無い記事になってしまったことを反省しています。もう少し今度はテーマごとに分けて紹介しますね。


2021年6月12日土曜日

Visium空間解析のすごさを一言でいうなら

 Visiumといえばここで何回も紹介していますが、スポットサイズの直径が55umの円が、約5,000個、一辺6.5mmの正方形に並んでいます。

隣り合うスポットの中心間の距離は100umなので、イメージとしてはこんな感じかな

細胞の大きさは様々。たいていの細胞はこの円の面積よりも小さいから、このスポットには複数の細胞が含まれる。だから今のVisiumはシングルセルの解像度では無い。とはいえ、このサイズのスポットが5,000個並び、それぞれで細胞s(複数形)の遺伝子発現解析ができるというのは画期的な技術である。

つまり、一言でいうと

組織上の何個かの細胞の全RNA−Seqを、最大5,000解析まとめて実験できる!

ひとつの組織切片で5,000のRNA-Seq実験を一度に行えるのはすごい。

RNA-Seqに加えて、そのうちCITE-Seqも行えるようになります。これはタンパク質の発現をオリゴつき抗体で測定する技術。
シングルセルだとTotalSeqという商品名がそれにあたります。これだと数十から数百のタンパク質発現もRNAと同時に検出できるようになる。

5,000のRNA-Seq実験をひとつの組織切片の上で同時に行えるのはVisiumだけ、かもしれません。
シーケンス後のデータ処理も無料のソフトウェアでコマンドラインを一発打つだけ。

そうです。さっきの丸にRNA-Seqデータをマッピングするのは簡単。
ビューワーで見るのも、簡単。
そこまでは、なんとか簡単

研究者の真の出番はそこからです。
データの解釈と、意味付けです
とはいってもまだ新しい技術なので、解析の参考になるはずの論文もそれほど多くないのが現実です。
次は、最近の論文を紹介します!




2021年6月7日月曜日

Visium 空間解析にFFPEが登場!

 前回から少し時間が経ってしまいましたね。まだまだ、東京は緊急事態宣言下で居酒屋は閉まったまま。すっかり健康的になってしまいました(これはいいことだけど)。これが6月20日まで続き、その後はワクチン接種、そしてオリンピックかあ。本当にやるのかなあ。

世の中不安なことが多い今日この頃ですが、さーて気持ちを切り替えて。


Visiumの空間解析にFFPE版が登場しました。FFPE−ホルマリン固定パラフィン包埋(さて、「包埋」とは何と読むでしょう? 答え:「ほうまい」僕は最初読めませんでした、、、)。これは生体組織の保存に良く使われている手法です。

ホルマリンの濃度(中性か酸性か)、作成にかける時間などの条件によってサンプルのクオリティは変わってくるそうです。サンプルに含まれるDNA・RNAの分子の分解も進んでしまうことがあります。また組織の構造がきちんと保存されるかどうか、これもFFPE作成条件によって大きく変わってくるそうです。

ゲノム診断に使う病理組織は手術検体から得るわけですが、こちらは日本病理学会が定めた「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」によってFFPEの作製方法などが定められています。

FFPEサンプルからRNA分子を測定して遺伝子発現量を測るには注意が必要です。そのままではRNAが分解されているからです。今までのVisium(新鮮凍結組織用)では、組織を透過処理し、mRNAのポリAをVisiumスライドガラス上のポリdT付きのキャプチャーオリゴで捉えていました。

ところがこの方法だと、分解されているmRNA はキャプチャーされない可能性がある。そしてNGSで読んでもマッピングされない可能性がある。

そこで、FFPE用のVisiumではポリAを捉えるのではなく、プローブキャプチャー法を用いました。具体的には、遺伝子の保存領域にプローブを2つ設計し、片方のプローブにはポリA配列がついている。この2つのプローブは隣り合うように設計されていて、ハイブリした後に2つは結合してひとつの長いプローブ配列になる。

その後Denatureして、透過処理をしてプローブ配列だけを組織からスライド上に落としてくる。プローブ配列についているポリA配列をスライド上のキャプチャーオリゴで捕捉する。という流れだけど文章で書いても伝わらないのはわかります。

そこで先月ウェビナーを行ったのでそのビデオをご覧ください。

このリンクから。最初に名前とメールアドレスなどの登録が少し必要です。

これは5月19日に行ったウェビナーの録画なのですが、最初の方はVisium一般の復習なので知っている人はスキップできるかな。プローブでのキャプチャー方法についてはウェビナービデオの18分後くらいから説明しています。

このウェビナーでは実験ワークフローの部分はさらっとしか話せませんでしたので、次はもっと詳しい話をします。次回のウェビナー、Visium空間的遺伝子発現 FFPEキットを始めよう!は6月23日(水)午後12時から。抽選で5名のかたにVisium特製Tシャツをプレゼントします!


製品シートはまだ英語版しかないですがここにあります(鋭意翻訳中!)


2020年3月10日火曜日

Visium 最初の論文とウェビナー(英語)


Maynard et al., Transcriptome-scale spatial gene expression in the human dorsolateral prefrontal cortex(doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.28.969931)

Spatial Transcriptomicsの論文は以前にもあったけれど、これが最初のVisiumの論文になるのでしょうか。これは、10xの社員も著者に載っていますが、Visiumでこんなことができる!ということがよーく分かる論文です。

Maynard et al
human dorsolateral prefrontal cortex(DLPFC:背外側前頭前野)のレイヤーは6層に分かれていて外側から内側に向かって、Layer 1、2、・・・6、とそして白質(White Matter)と分類されるそうです。この組織部分を切り出し、Visium実験を行い、各層ごとに遺伝子発現の特徴が見られるか、という実験です。

Maynard et al. Fig.1
Fig1のD、E、Fでは、3つの遺伝子の発現値がマップされています。ここでわかるように遺伝子によっては各層ごとに高発現、低発現の特徴がはっきり分かれているようです。

Maynard et al, Fig.4
各層ごとに特徴的に発現している遺伝子も検出できます。この図では、AQP4遺伝子が Layer 1で高発現(A)、HPCAL1遺伝子はLayer 2で高発現(C)していたことが示されています。
どの場所でどの遺伝子が発現していたのかという研究が、このVisiumの空間的遺伝子発現プラットフォームで可能になるのです!

これ、すごいですよね。今までに無い、次世代RNA-Seq

で、この論文の著者が今度、ウェビナーを行います。残念ながら日本時間では早朝3時半という微妙な時間ですが、朝に強い人はぜひご参加ください。
3月20日 午前3時30分から5時 (この日は休日ですね!)
こちらです






第1回 Visium Day オンラインフォーラム無事終了

今年は桜の開花も例年よりだいぶ早いらしいですね。とはいえ、新型コロナウイルスのせいで多くのイベントが自粛。学会も多くが中止になりました。なんだかとても寂しい3月になりそう。
外出自粛を「お願い」された小・中学生の子供が家に1ヶ月もいる!なんて、信じられない環境の中、私も最近ほとんどテレワークです。(とはいえずっと家にいるわけではありませんけれど)

イベントが自粛となっても私たちはそれに代わる方法を考えないといけないわけで、そうなるとセミナーをウェブでやるのが現実的になります。
最初、秋葉原UDXで行うのを予定していた「Visium Day」も、やっぱりこの時期なのでウェブでやることになりました。

2時間半のセミナーをオンラインでやってみた!

発表は5つ、招待講演の鈴木穣先生の発表を含む(鈴木先生、本当にどうもありがとうございました!)
質疑応答もできるだけできるようにして
間にコーヒーブレイク(という名のトイレ休憩)を設ける
発表するときはカメラをONにして、できるだけライブ感を出す

色々工夫して、途中で聞いている人が退屈しないように企画したのですが、まあ、2時間半はウェブセミナーとしては長いかな。実際そういう意見も多かった。普通の物理的なセミナーだと3時間でも「長すぎる」という人はあまりいないと思う。やっぱりウェブだともう少し短いセミナーが好まれるのか。

最後の私の発表のところで謎の雑音がコンタミしたのはごめんなさい。喋っていた私は気付きませんでした。練習したときは問題なかったのですが。今度は気をつけます。聞き取れなかった人は個別に連絡ください。

当日、私とスクラムの掛谷さんは 柏の特設スタジオから鈴木先生と一緒にお送りしました。
正直な印象:
これが無観客試合か・・・

オーディエンスの表情がわからないのは我々昭和世代には不安でしかない!
ラジオのパーソナリティーもこんな感じなんでしょうかね。でもあまりフランクに喋ったら怒られるだろうしね。

また、このような感じのウェブセミナーは今後もどんどん行う予定です。
お楽しみに!


2020年2月10日月曜日

第1回 Visium Day 開催のお知らせ!(オンライン方式に変わりました)

この記事は2月10日に上げたのですが、ご存知の通り新型コロナウイルス感染拡大に伴い、イベント・集会を開く環境では無くなりました。そこで、ウェブセミナーの形に変更しました。以下の記事も、2月10日に書いた内容を編集しています。編集箇所は黄色の字にしました。ウェブセミナーの登録サイトは同じURLです。
以前登録した方は自動的に案内メール(リンク付き)が送られていると思いますので再登録は不要です。


Visium Spatial Gene Expression、またの名をVisium 空間的遺伝子発現
この製品、前のブログでもその前にも何回かご紹介しましたね。組織切片をスライドガラス上に乗せて、組織の位置情報を保ったまま、全遺伝子発現を測定するという画期的技術です。
Spatial Transcriptomics、Spatialomicsとも言われていますね。「スペーシャロミクス」うん、いい響きだ。

今年話題になること間違いないVisiumの、アジア初のセミナー「Visium Day」を行います!(もしかしたら世界でも初か2番目かそれくらい)
日本で最初に実験をして結果を出された、東京大学の鈴木穣先生を特別講演にお招きしました。Visiumの実験はどんな感じで進むのか、データからどんな新しいことがわかるのか。ユーザーの生の声を聞けるまたと無いチャンスです。

また10xからは、この新技術を導入するときの実験ノウハウ、データ解析ソフトウェアのデモ、そして今後の Visium 開発の展望もご紹介します。実験ノウハウなどは基本的にはユーザーの方にしかお話ししない内容です。

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日時:2020年3月5日 午後1時から3時半
場所:ネットが繋がる場所ならどこでも On24というシステムを使います
レジストレーション:こちらから
アジェンダ:登録ページの一番下にダウンロードボタンがあり
参加無料
対象:Visiumに興味のある研究者の皆様 
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登録はお早めに! 


2020年1月27日月曜日

「Visium Spatial : 空間的遺伝子発現の疑問にお答えします」のブログの紹介

今年は暖冬で雪が少ないそうですね。暖冬の年は花粉が飛ぶ時期も早まるらしく、そうなると夏はどうなるんだろう?猛暑?水不足?


さて、前もここに書いたSpatialです。製品名はVisium Spatial(ビジィウム・スペーシャルと発音します)Gene Expressionです。マーケティング的にはVisium 空間的遺伝子発現と訳しています。
その新しい製品ですが今年、あちこちで話題になることは間違いない!と思っています。2020年の流行語大賞バイオ編というのがあればVisiumがノミネートされるかな。

10xのブログにて、そのVisiumのFAQが出ています。ブログはこちら


せっかくなので一部日本語に訳してみました。

イントロダクション


10x Genomicsでは、複雑な組織生物学に潜む空間的なダイナミクス、正常組織の発生や疾患病理学に影響する微小環境の細胞の働きを捉えることを可能にしています。10x GenomicsのVisium空間的遺伝子発現ソリューションを使用すれば、ターゲット遺伝子だけでなく全体のmRNAをインタクトな組織切片から得て、遺伝子発現情報を高解像度なH&E染色画像上に重ね合わせることができます。

このソリューションは組織切片作成、H&E染色、顕微鏡画像検出といったこれまでの病理学的な方法に、次世代シーケンス技術を統合して行います。そのため、10x Genomicsでは、scRNA-seqまたは組織解析の専門家のどちらにも有用な、トレーニングウェビナーを準備していますました。

Getting Started with the Visium Spatial Gene Expression Solution. Watch on-demand →


Exploring New Frontiers - Analyzing and Visualizing Visium Gene Expression Data. Watch on-demand →

ちなみに製品に関するウェブサイトは日本語でも用意しているので、こちらのほうが初心者はわかりやすいかもしれません。

組織準備に関するよくある質問

Visium Spatial Gene Expressionスライドに、異なる組織サンプルを同時にのせることはできますか?
はい、1つのスライドには4つのキャプチャーエリアがあり、4種類の異なるサンプルはそれぞれのエリアに乗せて測定することができます。但し、最適な透過処理時間をTissue Optimization(TO)スライドを使い、組織ごとにあらかじめ測っておく必要があります。


フォルマリン固定(FFPE)の組織は使用できますか?
OCTの新鮮な冷凍組織のみ確実にテストされています。10x GenomicsのR&DではFFPEでの方法を積極的に研究しています。


IHC染色した組織は使えますか?
現在、Visium空間的遺伝子発現のワークフローはH&E染色に最適化されています。 IHC染色からの方法も10xでは研究中です。


組織切片の厚さの最大値はありますか?
最適な切片の厚さは組織に依存します。例えば脂肪が多い組織の場合はより厚い切片が必要です。クオリティを保ちつつ組織に合った最小の厚さで切ることが大切です。 社内では5〜35μmでテストしたことがありますが、ほとんどの場合10 µmで切ります。

組織ごとの推奨する切片の厚さについてはこちら
凍結切片の詳細はこちら


Visium Spatial Gene Expressionスライド

4つのキャプチャーエリアには、約5000個のバーコードスポットがあり、各スポットには数百万本ものバーコード付きオリゴ配列が並んでいます。組織内のmRNAは、酵素による透過処理行なった後に放出され、バーコードオリゴに結合し、遺伝子発現情報として測定できるようになります。


1つのスポットが複数の細胞タイプをキャプチャーすることはありますか?
はい。組織の種類や組織内の細胞の大小密度によります。スポットの直径は50μm、隣り合うスポットの中心間の距離は100μmです。スポットあたり平均して1〜10個の細胞が捉えられると想定してください。ですからこれらの細胞は同じ細胞タイプで無い可能性もあります。私たちは、数個の「ミニバルク」細胞の平均遺伝子発現値を見ることになります。10xではこのスポットサイズをより小さくできないか研究を続けています。


同じスライドまたは異なるスライドの切片測定値に差はありますか?
難しい質問です。各組織は独特で元々差があるからです。同じスライド内または異なるスライド間で遺伝子発現データを一定に保つ最も有用なポイントは、組織のクオリティコントロールです。これは熟練した組織と切片準備の技術を伴います。

テクニカルリプリケートを作るのも良いでしょう。R&Dではマウス脳の4つの連続する切片を同じスライドにのせた実験を、違うスライドを使って6週間続けました。遺伝子発現のテクニカルリプリケート間でのR相関係数は0.99で、これは相関が高いことを示します。一般的にテクニカルリプリケートは実験結果の信頼性を高めます。


使わない箇所がある場合スライドは再利用できますか?

いいえ。使わないキャプチャーエリアがあったとしても、スライド使用は一度限りです。これはワークフローの中に、染色、リンス、乾燥のステップが他の使わないエリアのオリゴ配列にも影響し結果として全体的な感度を落としてしまうからです。


イメージングテストスライドの目的は何ですか?
Visiumアクセサリーキットに含まれるイメージングテストスライドには、2つの目的があります。ひとつはユーザーのイメージングシステムがVisiumに適合しているかを調べる目的、もうひとつは後の実験のためにイメージングプログラムをセットアップすることです。 詳細はこちら《 Imaging Guidelines Technical Note》


データ解析について

データ解析のためにプログラミングやバイオインフォマティクスの経験は必要ですか?
最低限のバイオインフォマティクススキルがあればSpace Rangerを動かすことができます。Space RangerはLinuxマシンの上で動くので、Linuxの基本操作コマンドを知っておくことは必要です。しかしSpace Rangerのほとんどのコマンドは自動で動きます。Space Rangerで必要な設定ファイルやアルゴリズムはソフトウェア内に同梱されているので、2つのインプットファイルさえ指定すれば解析は実行できます。

Loupe BrowserはGUIで動くためプログラミングのスキルは必要ありません。しかし解析を進めるうちにある箇所の遺伝子発現データを選択して再解析したい場合もあるでしょう。そういった場合はRや他のスクリプトを覚えて実行することが必要かもしれません。


SeuratのようなRで動く他の解析ツールはありますか?
はい、あります。SeuratのほかにはSpanielやGiottoというツールがあります。Space Rangerから出力されるマトリクスファイルは、Cell Ranger のFeature Barcodeマトリクスと同じフォーマットです。これはそのままSeuratに読みこませることが可能です。

これ以外にも10x Genomicsでは複数遺伝子やUMI、サンプル、クラスター等を同時に可視化するためのR resourcesも作っています。興味のある方はぜひお試しください。

こちらのブログもVisiumの空間的遺伝子発現解析について紹介しています。ご参照ください。



最後になりましたが、今年の3月5日木曜日、Visiumセミナーを東京で行います! ユーザーの先生のご発表と10xの製品担当、AGBTでの最新情報などなど、この技術の最新に触れたい人には見逃せないイベント。場所等正式に決まりましたらまたいろんなチャンネルでお知らせ致しますのでお楽しみに!
 

2019年10月22日火曜日

Visiumのウェビナー:技術紹介とデータ解析について(英語)

ご無沙汰しました。本当にご無沙汰です。本業が忙しくてこちらの方はおろそかになっていたことをお詫びします。
前回の投稿から早2ヶ月、その間国内のイベントでは
  • シングルセルゲノミクス研究会
  • がん学会
  • 大阪ユーザーグループミーティング
あとVisium Spatial Gene Expression のセミナーやウェビナー、などを主に行っていました。その間、日本語のウェブサイトも完成し、資料なども少しずつ日本語化を実現。もちろんこういうことはチームワークが大事です。10xの社風、というか良いところは、チームワークがバランス良く取れているということでしょうか。みんながみんな、持てる力をフルに生かせる職場って、理想ですよね(バーチャルオフィスですが)。

ついでに言うと、その間台湾と韓国でもいくつか大きな学会があり、ソウルでも先週ユーザーミーティングをやっていました。

Visiumは間違いなく、今年下半期(つまり今)から来年いっぱいにかけて、注目されると思います。あちこちでセミナーしてもみんな興味を示してくれる。
そこで、今月から来月にかけて、日本時間の正午からウェビナーを2つ行います。

ちなみにこのウェビナーはどちらも英語です。でももし日本語でやって欲しいという要望が多ければ、日本語でも予定しますので視聴後に表示されるアンケートのところにそう書いてください。


まず最初は、10月29日のお昼から行われる、Visiumの製品紹介と技術、プロトコルについてのウェビナー Getting Started with the Visium Spatial Gene Expression Solution
登録はこちらから

2回目は、11月21日に行われる、Visiumのデータ解析、ソフトウェアについてのウェビナー Exploring New Frontiers - Analyzing and Visualizing Visium Gene Expression Data
登録はこちらから

どちらも時間は12時からです。お昼休みに英語のウェビナーをぜひどうぞ。
あとで録画も見れますので登録だけでも忘れないうちにしてみてください。

では